心の仕組み

アニバーサリーシンドローム(記念日症候群)とは?

こんにちは♩

心理カウンセラー・セラピストの浦松ますみです。今日はアニバーサリーシンドロームについてお話ししていきたいと思います。「記念日症候群」と言ったり、記念日反応と言ったり、様々な言い方はありますが「自分にとっての思い出」に反応してしまう状態です。

震災、事故、事件に遭遇した方が、節目の時期になると起こりうる心身反応のことで、例えば震災等の映像をきっかけに、ドキドキ、不眠、落ち込み、不安になるなどの反応が起こることがあります。

大切な誰かの亡くなった日とは?

例えば、最近、私が良く聴くようになったK-POPのSHINeeのジョンヒョン。彼は2017年12月18日に自ら命を絶ちました。27歳、Twitterなどで夜、一斉にニュースが流れました。その当時はK-POPに興味がなく、どんな歌を歌う人で、どんな顔で・・など知らなかったのですが、なぜか私の中で「今」色々と歌を聴いていると、本当に歌唱力が抜群で、自分の感情をそのまま乗せている感覚を感じています。

本当の意味で、どうして彼が死を選んだか、どうして誰か相談できる人(彼の支えになる人など)がいなかったのかなど、全くわからないのですが、相当に気持ちが沈んだ状態だったようです。伸びのある、声量たっぷりの高音も、感情たっぷりのバラードも、聴く人の心を捉えて離さないものだと思います。完璧なステージ、相当な影の努力・・。負けず嫌い、仕事へのプロ意識の高さ・・など。

ファンだったらきっと12月が近づくと、ジョンヒョンを失った時の心の痛みを感じ、自分を責めたり、関係者に「どうして」と言いたくなったり、彼が今、どうしているかなど色々な思いが駆け巡るのではないでしょうか?

彼のあるYouTubeに上がっていた映像で、ラジオ番組を(恐らく、彼に休養が必要で事務所などの配慮から)降板する時の様子を見たのですが、ずっとハンカチを目に当てて、身体全身で泣いていました・・。ずっとです・・・。

 

私がどうしてこんなに反応してしまうかと言いますと、私にも知り合いで、鬱状態でこうして人生の中に安心や、幸せを感じられなくて泣いていた人がいるのです。まだ、心の勉強をするずっと前でしたが、その人も毎晩こうして泣いていました。そして起きている時間が辛すぎて、昼間はお酒で酔って、夜は睡眠剤で寝てしまい意識をなくすことでどうにか生きていた人がいました。

でも、その人も自ら逝ってしまいました。その時のショック、後悔、もっと気の利いた言葉をかけたら良かったのかも・・と自責の念や、胸の苦しい感覚を覚えていて、その時の傷が、ジョンヒョンのニュースやこう言った残された場面がトリガーとして響いているのです。

ある人のケース

その方は、お母さんとの折り合いがずっと悪く、「母親さえいなければ」「この母親から生まれなければ」「他の母のように私を愛してほしまった」「母は私を傷つけるだけの人」など、ずっと母との関係をワークしていましたが、ある時、あんなに早くいなくなってくれればと言っていた母親が自死してしまったのです。

最初は「これであの人の苦しみも終わって良かった」「やっと愛せる」などと言っていましたが、次第に彼女の方が鬱状態になってしまいました。眠れなくなって、仕事でのミスも続いたり、母を責めることでどうにか頑張っていた生活自体の何かが狂い始め、気持ちの持って行き場を失ってしまいました。

そして、母を死に追いやったのは「自分のせいだ」「私が殺したのだ」と彼女の中では実は、腹を割っての話ができなかった事への罪悪感などがあり、自分が悪いという結論が一番辛いけれど、一番しっくりしてしまう着地点になっていました。

春に亡くなっていたので、春が近づくと母の死の知らせを聞いた時の「日差し」「眩しさ」「温度」「部屋の匂い」などが鮮明に今でも身体にDLされたままになっていて、気持ちがかなり沈んでしまいまいました。セッションでここを取り扱いたくとも、ガンとして動かなかったのは「もし、この心の痛みを手放したり、少しでも軽くしたら、お母さんを忘れて、親不孝のままの私になってしまう」

潜在意識の声は、このアニバーサリーシンドロームの症状、鬱状態になる事で「母を忘れていない自分」でいられる・・・とてもとても大切なものでした。こう言った長年の親子の感情のもつれから来ているケースは傷も深いので時間がかかっています。

PTSRとPTSD

PTSRとは?

PTSRは心的外傷後のストレス反応による心の変化、傷。誰にでも起こる当たり前の反応。しっかりと喜怒哀楽をその人のペースで感じ、消化していく感じです。

PTSDとは?

心的外傷後のストレス障害。それが持続して日常生活に支障を及ぼしたり、著しい苦痛となってしまい、特殊な状態。ナチュラルな喜怒哀楽でなはい感じ。(セッションで扱うことをお勧め)

トラウマで大きな傷を負っていたら

 

世界には大災害や、大きなショッキングなニュースなど、日常的にどこかで起こっていますが、トラウマの大きさ自体よりも「自分がどのぐらいのショックか」がポイントです。「私のとっての」その時の記憶なのです。こう言った場合は、ただ「休む」「寝る」だけでは根本的にはケアできていませんし、傷が残ったままですよね。

1度だけの自分にとってショック度が大きいものから、複雑性トラウマ(C-PTSD)と言って何度も形を変えて繰り返し刷り込んでいくものや、ミックスした経験を持っているなど、様々なタイプが存在しています。

何か、自分の中で反応があるとキャッチできたら、それをなんとなく蓋をして見ないようにするとか、他のものですり替える(お酒、ギャンブル、仕事、恋愛、買い物、過食など)前に、ケアできると良いと思います。傷が深くて大きなもの、長年のものはプロの手を借りることをお勧めします。

 

アニバーサリーシンドロームの反応は特別なことじゃない

例えば、大好きだった彼との別れ、ペットロス、大好きな土地との引越し、全く知り合いのいない地域、国で暮らすなど、何がきっかけで「反応」が出るかはわかりません。長年、日本に帰っていない人が、春に日本の「桜」のニュースを見てとても悲しくなって引きずっているとしたら、きっと「桜」に関しての何か意味づけがあるのでしょう・・・。

誰かと見にいく時の桜、大切な人が亡くなった季節が桜の頃、花吹雪を歩いた時に感じていた感情・・・など、無数に人それぞれの「思い出」があるので、それは個々に正確に探してあげるといいですね。

こう言った「感情」が伴っているものへのケアはセラピーが非常にお勧めです。自分でできる特別な器具や場所がいらないEFTなども参考になさるといいともいます。

 

まとめ

トラウマの反応自体は状況に適応するための(サバイバルするための)適応機能であり、誰にでも起こる当たり前の反応です。それが持続して、日常生活にまで影響がある場合は特別なそれにあったケアが必要ですが、きちんと感じ、自分の中で消化できていることは自然なことです。ここで起きるネガティブな苦しい反応もナチュラルなあって当たり前の感情です。

「どうやって抑えるか」ではなく「どうしたら安心してちゃんと感じることができるか」「消化できるか」の方向が大切です。トラウマの反応がなぜ長引くかと言えば、色々な回避行動で「感情をちゃんと安全に健康的な流れで感じていないから」です。身体へのDLがそのままの状態です。

気付いた時がいいタイミングです。安心して出せる場所、出していい人などがそばにいつでもある・・これは1番の安堵ですよね。

こうして心のことにご興味のある方との繋がりが嬉しいです。いつもありがとうございますm(_ _)m

▼次におすすめの記事はこちらから

▼心のことにご興味のある方はこの記事も参考にされてください♩

 


心理カウンセラーランキング

▼関連記事はこちら

【保存版:本当の意味での境界線】人間関係の悩みのほとんどは、これで解決!

鏡を見る事ができない

▼おすすめ心理講座

今日から使える「心の仕組み」の基礎講座のお知らせ(インテグレイテッド心理学基礎講座)

心の仕組みにご興味のある方はぜひご覧ください(^^♪