心の仕組み

【ファクトフルネス】を心の仕組みから紐解く

みなさまこんにちは♩

心理カウンセラー・セラピストの浦松ますみです。今日は去年かなり注目を集めて本の売上や評価も高かった「ファクトフルネス」について、心の観点から解説していきたいと思います。

今のこの世界的にパンデミックが起きていて、世の中に「恐れ」「不安」のエネルギーが蔓延している感じから『データに関する伝説のプレゼンテーションを遺した』ハンスロスリング氏が書いた書籍から何が大切なことなのか・・を「事実と解釈」の視点でお伝えします。

不必要なネガティブなエネルギーに飲み込まれないために、そして逆に「必要な緊張感」は持っていきたいですよね。

 

「ファクトフルネス」がなぜ今必要か?

 

私たちはすぐにドラマチックな世界に行きやすい生き物

見出し画像

まず、この書籍「ファクトフルネス」は、TEDトークで、データに関する伝説のプレゼンテーションを遺したハンスロスリング氏が書いた書籍です。本の帯に「賢い人ほど世界の真実を知らない」とありますが、象徴的なのがチンパンジーテストです。

どう言ったものかと言いますと、書籍冒頭にある世界の変化の常識に関する三択の12の質問を素で回答すると、世界中の人のなんと90%が、答えが全く分からないチンパンジーに負ける、という事実です。え??私たち人間の方が負ける??

いかに日々の報道や幼少期の教育によって、私たちが間違った事実を信じ込んでしまっているかという非常に分かりやすいデータです。

 

2019/1 徳力基彦さんnoteより画像引用

 

また、「世界はどんどん悪くなっている」と言うイメージをなんとなく漠然と私たちは持っていませんか?世界の貧困層がどんどん増えて、人口増と食糧難のイメージが不安などを煽ったりしていないでしょうか?とんでもない勘違いだとロスリング氏がデータを元に明らかにしてくれます。

2019/1 徳力基彦さんnoteより画像引用

 

特に分かりやすいのは、国を「先進国」「発展途上国」と大雑把に分けるのではなく、所得を4つのレベルに分けて、そのレベルの変化がいかに人間の生活の質を変えていくのかという具体的なデータに基づく説明。その視点で見ると、世界は明らかに良い方に変化してるそうです。災害の死亡者数も減ってるし、極限の貧困は減り、人口の増加にも歯止めがかかるのが見えてるのが伝わります。

この本の中であるのが、あるクイズ。

Q1:世界の人口の何パーセントが低所得国に住んでいる?(1日2ドル以下)

A:59%  B:32%  C:9%

Q2:低所得国(1日2ドル以下)に暮らしている女子の何パーセントが初等教育を終了しているか?

A:20%  B:40%  C:60%

多くの人はイメージでQ1,Q2のアンサーを「A」を選びますが(私も!でした)実は正解は「両方ともにC」なのです。低所得国の女の子も60%は初等教育を受けていることが事実です。

 

もう一つの流れで見ると20年前は世界の貧困層が100%と考えると、現在は約半分に減っているそうです。漠然と色々なキャンペーンや世界を飢餓から救うイメージから20年前より増えているイメージがありませんか?でも実際のデーターでは半分だそうです。

また、サメによる死者は年間60名、蚊による死者は年間200万人など、私たちは色々、事実=データを知らずにイメージで「怖さ・不安」を持っていますよね。

 

何が言いたいかと言いますと

私たちは常にイメージで物事を理解し、身体を通じて体感していること。実際の事実ではなく自分の解釈が漠然と正しい反応としています

 

「ファクトフルネス」から見る今の私たち

初めて体験する未知への恐れがどう作用する?

今回の、今生きている私たちが初めて体験する世界は「未知の恐怖を伴ったウイルスとの戦い」でもあり、学校で歴史で習った記憶しかありまあせん。こんなデーターを見つけました。

 

「ファクトフルネス」的人類を脅かせてきた感染症

 

人類は紀元前の昔から、さまざまな感染症と戦ってきています。原因も治療も十分に確立されていなかった時代には、感染症のパンデミックは歴史を変えるほどの影響を及ぼしてきましたよね。感染症をもたらす病原体や対処方法がわかってきたのは、19世紀後半になってからで、その後、感染症による死亡者は激減しましたが・・・・

1970年頃より、以前には知られてなかった新たな感染症である「新興感染症」や、過去に流行した感染症で一時は発生数が減少したものの再び出現した感染症「再興感染症」が問題となっていて、発展途上国ばかりでなく先進国においても、脅威となっています。

感染症 時代 脅威
天然痘
人類が根絶した唯一の感染症
紀元前:エジプトのミイラに天然痘の痕跡がみられる
6世紀:日本で天然痘が流行、以後、周期的に流行する
15世紀:コロンブスの新大陸上陸により、アメリカ大陸で大流行
1980年:WHOが天然痘の世界根絶宣言
50年で人口が8000万人から1000万人に減少
ペスト 540年頃:ヨーロッパの中心都市ビザンチウム(コンスタンチノーブル)に広がる 最大で1日1万人の死者が出たといわれる
14世紀:ヨーロッパで「黒死病」と呼ばれるペスト大流行 ヨーロッパだけで全人口の4分の1~3分の1にあたる2500万人の死亡といわれる
新型インフルエンザ 1918年:スペインかぜが大流行 世界で4000万人以上が死亡(当時の世界人口18億人)したと推定される
1957年:アジアかぜの大流行 世界で200万人以上の死亡と推定
1968年:香港かぜの大流行 世界で100万人以上の死亡と推定
2009年:新型インフルエンザ(A/H1N1)の大流行 世界の214カ国・地域で感染を確認、1万8449人の死亡者(WHO、2010年8月1日時点)
新興感染症 1981年:エイズ(後天性免疫不全症候群、HIV) 過去20年間で6500万人が感染、2500万が死亡
1996年:プリオン病 イギリスでクロイツフェルト・ヤコブ病と狂牛病との関連性が指摘される
1997年:高病原性鳥インフルエンザ 人での高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)発症者 397人、死亡者249人(2009年1月20日現在)
2002年:SARS(重症急性呼吸器症候群) 9ヶ月で患者数8093人、774人が死亡
再興感染症 結核
紀元前:エジプトのミイラに結核の痕跡がみられる
1935~:結核が日本での死亡原因の首位
1950年:抗生物質により発生減少
現在:抗生物質に対して抵抗性を示す結核菌が現れる
世界で20億人が感染、毎年400万人が死亡
マラリア
紀元前:「マラリア」についての記録
6世紀:ローマ帝国を中心に大流行
1950年代:殺虫剤DDTなどによる根絶計画実施
現在:DDT抵抗性のハマダラカが出現
世界で年間3~5億人感染、100~200万人が死亡
正露丸で有名な「大幸薬品」HPから引用
「ファクトフルネス」観点でいえば『こう言うことがあった』と言う事実です。では私たちはこの事実をどんな風に常に解釈しがちでしょうか・・・?

「ファクトフルネス」=事実に基づいて世界を見る

 

自我の性質上、そもそも私たちはどこかで「大丈夫感」よりも「何かが足りていない感じ」「何かダメな感じ」「出来ていない感覚」「小さいから大きなものにやられてしまう不安」など持っています。そもそものスタート自体が分離感や恐れがビルトインされているために「より良くなる」「安心を求める」「もっと得たい」「もっと知りたい」となるのです。

これ自体が悪いとかでは全くなく、これがあることにより大きなメリットとして「新しい成長」「より安全なもの」を得て今日までこうして世界は、人は存在しています。サバイバルが上手でなかったらとっくに人間が絶滅してもおかしくないですよね。

 

こんな初めて私たちが体験するパンデミックは当然ですが「怖さ」「不安」がベースになって当たり前。でも、この見方、視点で、受け取り方で全てを解釈し続けている部分も否めません。「世界全体での解釈」がこう言ったエネルギーになっています。

 

「世界の誤解」の実体験は、ネットやソーシャルメディアの話ではありますが、日々、このエネルギーに触れていたら、当然「恐怖からの解釈」の世界で生きているので、ネットを起点とした炎上のニュースが増え、また、それに対しての「反応」の炎上が流れ・・・
ネットの利用者数とか、ソーシャルメディアの利用者数が増えれば、ネットの世界も通常の社会と同様に様々な形が発生するのは当たり前なんですが・・・

 

「ファクトフルネス」=正しく、事実に基づいて「準備・反応」する

事実からの決断は私やみんなを救う

 

私たちが持っている常識は間違っていることも多いとしたら=事実と違った解釈を「正しい」と思い込んでいるとしたら、正しいデータと科学に基づいた行動が「安全な判断・決断」を生むのではないでしょうか?

決断や判断を狂わせてしまう思い込みはこの本の中ではいくつか紹介されていますが、心の仕組みから解説していきますね。

 

1:そもそも自我は怖さを持っている

 

 

確率的=正確なデータ上はそこまで恐ろしがらなくて大丈夫なものも、怖く感じてしまう。これは国や人種、歴史、そして個人の経験(歴史)でも全く違ってきますが一つ例をあげましょう。

「データ1」:アメリカ人の51%はテロに対して日常的に「恐怖」を持っている。9.11や銃乱射事件など考えたら分かりますよね。

実際にデータから見ていくと・・?

テロの死者:159人(年間)

飲酒での死者:69000人(年間)→飲酒によって他者を殺した数も7500人

つまり、テロで殺される数より、酔っ払いに殺されるリスクの方が50倍も実際は高いと言うことです。2016年のテロで亡くなった方の数は全体から見ると0.05%。亡くなった人全体から見ると生活習慣病などで亡くなった人は全体の60%。

テロの心配をしなくていいのではなく、心理的な「恐怖」は私たちの中に知らず知らずのイメージを作り上げていると言うことです。これもダメ、悪いと言うことではありません。知っておくだけでOK

 

起きるものへの恐怖が必要以上の恐怖を生み出すのは当たり前の仕組みがここにあります。本当に必要な危機、持つべき判断が狂ってしまうと言うことです。

「現実的なリスク」が怖いのか「怖いと思い込んでいるから怖いのか」を見極めましょう。決断、判断の「質」をUPさせましょう

 

2:怖さが生み出す「焦り」について

今決めないと、後悔してしまうかも・・・失敗してしまうかも・・今回のような世界的パンデミックでは「死の恐怖」と言う強烈な怖さがありますから特に「焦り」も出てくる感情の一つだと思います。スーパーへの買い出しや病院に行っておきたいなど、自分の事実に基づいた健康上な必要な行動なのか、冷蔵庫や家に全く食べるものが底をついているからの必要な行動なのかなど、今決めなきゃと言う焦りも冷静な判断を狂わせますよね。

データや根拠を抜きにして「とりあえず買っておこう」「とりあえず行っておこう」などしがちです。感情で動いているのか、根拠とデータで動いているかは「同じ行動」をしていても全く質が違うものであります。

むしろ「データ」と「根拠」からの行動は「必要な行動」であり、私たちを危険から守ることができると思います。

 

3:私たちは元々、ネガティブなことに意識が向かう習性がある

 

 

そもそも、私たちが恐れをベースに持っていたら当然ですが、メディアや社会全体が、身近な大人たちが子供の頃からずっとそうやって教えてくれていたら、当たり前。ニュースになるものはネガティブなものが多くないでしょうか?

例)飛行機が墜落したニュースが大々的に放映される→成田発NY行きの飛行機が定刻通りに無事に到着したニュースは流れない

常にネガティブな報道に触れているのがベースでもありますし、ネガティブに偏っていることを「知る」ことが大切。

例)世界では10億人の人々が安全な水を飲めない→1980年は全人口の58%しか安全な水が飲めていなかったが、2019年は世界の88%が安全な水を飲めて流ようになって科学の進歩は素晴らしいのニュースは流れない

例)核弾頭が世界には15000もあって大丈夫か→実は1980年には64000発の核弾頭があって2019年は15000発に減っている

 

ポジティブが、安心がクローズアップされることが少ないと言うことを「知る」ことも大切。どちらが良い、悪いと言う見方ではなく(解釈)データ、事実、科学的根拠は正しい行動、正しい判断を生み出してくれます。「ポジティブになれ」ではないです。

 

まとめ

変に世界は理不尽で怖くて、不安なところだからどうやって弱い自分を守ったら良いのだろう・・と言う発想に飲み込まれて、ここを出発点として常に行動していると身体は緊張状態、常に自律神経も「闘うか・逃げるか」モードで疲弊してしまいますよね。

なので「事実・データ」に基づいたものや恐れがベースではない情報から「正確な必要な判断」をして行動することが必要な時代となっている気がします。

本当にお互いが「助け合い」「繋がり合い」「孤独ではない」感じを持ち、関心ごとを「自分たちだけ」から「周りのみんなも」へと広げていくことが必要な気がします。すでに他国同士の連携も生まれてきています。

逆に自分一人だけ、または自分達だけがOKではきっと乗り越えられない大きさのパンデミックです。

私も小さな一人ですが、こうして心のことに興味があって、繋がりを大切に感じてくださる方とのポジティブで安心なエネルギーが力を与えてくれます。一緒に乗り越えていきましょう!

いつもありがとうございます♡

 

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