なかなかラクにならないメカニズム

【なかなかラクにならないメカニズム84】やりたいのに動けない時

皆さまこんにちは♩

人間関係、家族などとの関係で生きることが辛く、依存症・過食嘔吐・パニック障害など地獄のようなドン底6年間から抜け出て、職業も変わり、年間1000名の方のお悩みを聞く側に自然に変化した心理セラピストの浦松ますみです。

今日は、よくあるお悩みの一つに「やりたいし、やらなきゃ行けないのに体が動かない」「今日こそは・・と思っても他のことをしてしまい、取り組めない」など、私たちに馴染み深いこのパターンを見ていきましょう。

また逆も然り。

「辞めたいのに辞められない」も、同じ仕組みであり出方、症状が違うだけですが、心の中の辻褄は同じように見ていくことができます。

自分の中の、こういったテーマを思い浮かべながら進めていっても良いですね。

セカンダリーゲイン=二次的メリットとは?

私たちは嘘のような本当の話、頭では真剣に「これを辞めたい」「こうなりたい」と切に願い、悩み、それをテーマにセッションを受けにいらっしゃるのですが、どうしてこんなにも望んでいることができないのでしょう・・

理由は一つとは断定できませんが、こういったお悩みのほとんどは「セカンダリーゲイン」というご本人の中の「無意識レベルのメリット」がある事がほとんどです。

メリット・・?そんなことあるわけない!!と思う方も多いと思いますが、私たち自我レベルでは深いところで「自分にとって良きこと」「自分にとって安心」を必ず選んでいるのです・・・

それが表面的な行動では「困ること」「より苦しいこと」と感じても、深い潜在意識レベルでは自分を守る仕組み通りになっています。

では具体的な例を用いてお話しします。

鬱が長く、ご相談にきた例

ある女性の例ですが、30代前半、前の職場で鬱になり退職して8年が経ちました。最初はそれこそ、親に心配をかけて申し訳ない・・少し蓄えていた貯金を切り崩して一人暮らしを続けていましたが

親の勧めもあり、実家に戻って7年。勿論、今は経済的にも全て親に守ってもらっています。親も若い時とは違い、色々な病気も見つかったり、なんだかんだ言って、娘がいることで、安心もありつつ、自分達がいなくなった後はどうする?結婚は?

何かの拍子にたま〜にそんな話題が出て、その時には非常に落ち込み、退職時の時に近いような感覚に包まれます。そうなると、親も自分のペースでいい・・など、必ずフォローはしてくれます。

また、少し自分でも気持ちが明るく、体が動いている時に、親が再就職の話をなんとなく勧めたり、同級生や友達は当然社会の中で生きているので、焦りや、憂鬱感に襲われます。

でももう8年・・自分でもこのままじゃまずい、親の面倒を見る時期も来るだろうし、自分自身が何よりもう一度社会に戻りたいという気持ちもあります。

もし、元気になって動ける自分になったら・・・?

頭ではそうなりたい、そうしたい、過去の自分に戻りたい・・と切望していますが、もし、本当に動けて、人間関係の中に入って大丈夫になったら・・

私はどうなる?何を感じなければいけない?

また、そうなった自分は何をし続けなければいけない?

 

この質問を本気で静かにジャッジ無くしてみます。

頭の声は「凄くラク」「自信が持てます」など言いますが、本当にそれだけなら、きっと社会復帰しているはずですよね。ここが難しいのですが、頭の声は本気で「元気になりたい」と思っています。親孝行したいし、自分は大丈夫になりたいと感じています。

さっきの質問をもう一度よく身体を感じながら聞いていきます。

何が怖い?何が無理?恐れの声を探る

先ほどの女性のケースは、もし、自分が元気になってしまったら、両親が安心して自分のケアが手薄になる・・本当にダメになったら、今度は帰る場所がない・・8年社会から離れた自分を受け入れてくれる場所はきっとない・・自分も自信がない・・そのショックを感じたくない、現実を見たくない・・(全部、頭の中での想像がリアルです)

もし、再就職などしてスタートしてしまったら、もう2度とまた無理でした・・は言えないし、言ってはダメ、そして勿論、もう、家族以外の人間が怖い・・自分は本当はみんなができることが出来ない不適合者だ、何処かが未完成な欠けている私(心の中でひっそり思われているに違いないよね。。)などなど・・

いろいろな深いレベルでの私像=セルフイメージが出て来ました。

今だから受けられるいろいろな社会からのケアや、経済的な支えもなくなることを意味するし、自分が自分でお金を稼ぐことがもう絶対にできない私・・という深いレベルでの「できない私」はかなり大きな影響を及ぼしていました。

顕在意識では拾いにくいメリット

こういった「感じたくない」「認めたくない」「知りたくない」私の姿は大抵は普段は抑圧されていて隠された場所にいるので、普段は自分自身も気づくことはありません。また、気づいていたとしても顕在意識レベルでの把握。お伝えしたいのはその下にある「私」の姿の視点です。

なので、思考レベルでは本気で社会復帰を目指していますが、どうしても行動レベルに移せないのは当たり前なのです。

セッションなどではこの「セルフイメージ」の解体やシフトに繋がる感情レベルでの働きかけをセラピーなど使いながらしていきます。

特に慢性のもの、繰り返すものにはほぼ気付けていないメリットがある

回復してしまうと、もっと自分が抱えきれない不安や恐れを感じる・・

嘘のような深いレベルで自分が抱えている本音を探して、ここをケアしなければ、当然ですが、行動レベルで安心して回復に繋がる行動ができない、避けてしまうのは当たり前。

回復がまずい、回復がもっと実は自分を追い詰めるんだ・・顕在意識では気付けない、深いレベルの隠されたこの仕組みをまずは見つけましょう。

①やらねばいけないことが手がつけれない、いつも後回し。もしくは辞めたいのに辞めれない・・(やりたくないのにやっている、辞めれない)・・などこんなテーマを探します。

②それができちゃったらどうなる?または完全に辞めたらどうなる・・?想像してみます・・

③その自分をよ〜〜く感じてみます。身体のどこにどんな感覚があるでしょうか?

④上記にどんな声がくっついている?または感情は?

⑤そこが見えた自分、気付けた自分にまずは「そうだったんだね」と労いと寄り添いを十分する。

⑥理解のエネルギーで自分をハグして、深呼吸してゆっくりと目を開けてお部屋に戻ります。

 

※シフトのためのワークではなく「気づく」ところまでのワークです。この先はセラピーなどが有効になると思います。

 

私の例で丁度思い当たることが起きていたのでシェアしますね。この年齢(50代半ば過ぎ)で生まれて初めて運転免許を取ることになり、セッションの合間に教習所通いが始まりました。

そもそも、小さい時から父から「絶対に免許は取るな」「必要ない」「お前は事故に遭う」など言われていたのに加え、駅の近くで住んでいたことが多かったので、本当に東京では必要がなかったことも要因でした。

運転に関してのセルフイメージ:鈍臭い、絶対事故になる、まず、取れない・・などなど

感情:完全運転に関しては無力、物凄く身体が重く、乗り物酔いも酷かったので薬を飲みながら教習所に通学していました。

見えて来たもの:今や国民全員がとっている(取れているように見えている)資格=運転免許証とは、私にとって「みんなが簡単に取れるもの。」それが出来ない私になりたくないと相当思いつつ、深いレベルでは「取れない私」を抑圧して鼓舞して通っていました。でも面白いのは「免許取得」に関して(のみ)出て来るものでした。

みんなが簡単に出来ることが、私にはどうしてもできないこと・・って結構抵抗が強かったんだなぁと苦笑しつつ、「いいよ〜〜、取れなくても〜〜」と今は期限ギリギリでも許していますし、取れなかったらタクシーでいいとか、親しい人に助けを求めよう・・など気楽になりました。

このワークは深刻なものから、浅めのものまでいろいろなバリエーションがあると思います。どんな声が気づきの中から見えて来たでしょう・・・♡

お勧め過去記事(投影シリーズ)

【自己投影】生き辛い人生とは?心の仕組みから解説1

【保存版:投影の仕組み】現役カウンセラーが分かりやすく解説

【自己投影】生き辛い人生とは?心の仕組みから解説

 


心理カウンセラーランキング