友だちとの関係

【友達がいないってダメなこと?】ヒトの仕組みから見る人間関係

こんにちは♩

心理カウンセラー、セラピストの浦松ますみです。

今日はこれもよくあるお悩みの一つなのですが、「友達が欲しいけれどなかなか出来ない」「軽い話はできるけれど、深い話をする人がいない」「どこに行っても孤独を感じてしまう」「話し下手でうまく溶け込めなくて気を遣ってしまう」などなど・・

一見華やかなお友達関係が大勢いても何か心が孤独を感じたり、または本当に遊びや食事を気軽にする友達がいなくて悩んでいる方など、一緒に友達とはどんなものなのかを見つめていきませんか?

こうしたらいいとか友達の作り方というよりは、私たちにとっての「友達」の役割を心理セラピストの観点からお伝えしたいと思います。

 

1:友達はいますか

 

私にとっての「友達の定義」とは

 

まず、自分はどんな人と友達でいたいでしょうか?ただ、周りに誰かがいてくれたら誰でもいいというよりは、どんな人と繋がっていたいか、どんな人と一緒にいると嬉しかったり安心したり、より自分のパフォーマンスが上がったり、1+1=2のような自分一人では出来ないことができたりなど、改めて考えてみませんか?

目をつぶって、誰といる時に一番自分が安全で、安心で楽しいか振り返ってみましょう。その時に私は何を感じていますか?そこではどんなことが起きていますか?「自分にとっての至福時間」「自分にとってのリラックス時間」「高揚時間」などなど思い出してみましょう。

 

その人は私に何を満たしてくれる?

 

例えば、一緒にいると安心してなんでも話せる人が最高の友達だとしましょう。たわいもない話も勿論盛り上がるけれど、親にも誰にも話せない・・・話したら自分を見下しそう・・・軽蔑されるかも・・・引かれてしまうかも・・・きっと去ってしまう・・・そんな頭の声があったとしてもやっぱり話ができるような信頼の厚い人が自分にとって最高に満たされ感を感じられるとしたら、私はその人から「安心、安全、信頼関係」をもらっているのです。

 

これは人によって全く違います。もしかしたら自分よりも権威の上の人とのつながりをもたらせてくれる人、繋げてくれる人が最高の友人だと定義づけていたら(意識しているか無意識かはありますが)、やはりその人は自分に「自信、肯定感、安心」などを与えてくれる人となるでしょう。

どれが正しい、間違っているはなく「全部自分が心地よいもの」があるはずなので、ここも自分が知っておくことは良いでしょう。

 

2:私たちはそもそも哺乳類

 

哺乳類の性質(ポリヴェーガル理論より)

 

実は私たちはどんな動物かといえば哺乳類。哺乳類はご存知の通り、単独で生きるというよりは群れで生活をして、仲間と共に生命を維持することがいろいろな面からサバイバルしやすくなっています。敵に襲われにくいし、分担して狩りをした方が効率よく食糧を見つけられたり、広いサバンナで群れで行動した方が子育てもしやすいし、安全です。

 

そもそもが社会的に他者との交流が必要な存在ですし、生き残るためにもその方が理にかなっているのです。ポリヴェーガル理論は自律神経の新しい見識を述べたものなのですが、今まで自律神経は2つと習ってきましたが、イリノイ大学のスティーブン・ポージェス博士は今までの自律神経(交感神経・副交感神経)のほかにもう一つ新しい副交感神経があり、それは哺乳類独特のものだということを発見しました。

注)ポリヴェーガル理論 を紹介してくださった師匠の溝口あゆかさんのお話を参照しています

2つの自律神経から3つの自律神経へ

 

1:交感神経

 

何か刺激があった時、敵に遭遇したりそこで自分の生き残りを当たらす必要がある時など、または危険が迫ってきた時の私たちは「逃げるか戦うか」「興奮」「攻撃」「素早く動く」などなど、交感神経優位になりますよね。アドレナリンが出て、これが活性化します。これも生きていくのにとても必要なことで、例えば素早くこの仕事を追えなきゃいけない時なども交感神経優位で体が動いでいるはずです。また夜道で危険を感じたら心臓の鼓動がバクバクするのもこの交感神経優位の証拠。私たちの身体は自分の意思とは関係なく、感じたら反応しています。

 

2:副交感神経(背側・古い迷走神経)

 

今まで知っていた副交感神経のどちらかというと「リラックス」「休む」イメージの自律神経です。勿論、これも私たち哺乳類は持っていて、これは古い迷走神経(背側)で爬虫類も持っています。例えばトカゲなどはじっと動かずにいることで体力の温存もできますし、呼吸も長く止められる生き物もいます。ゆったりをソファーに座り、静かに何か考えている時の私たちや実は何かショックを受けた時などや心を閉ざした私たちがシャットダウンしたり、フリーズしている時もこの古い背側の迷走神経が働いてくれています。こうすることで、サバイバルしやすくなるのです。

 

3:副交感神経(腹側・新しい迷走神経)

 

今回のスティーブン・ポージェス博士の新しい発見がこの横隔膜から上に走っていて腹側にある社会科系の副交感神経です。これが哺乳類特有のものであり、新しい迷走神経で社会的な交流で健康や安心や細胞の修復が得られたり、他者との交流の中でオキシトシンが出たりします。これは喉、顔の表情や耳(音)、などにも深く関わり、笑顔だと安心したり、この人は敵ではないと判断したり、怖い声、優しい声なども関係したり(危険を察知)、歌を歌ったり(喉)、音楽に合わせてダンスしたりは非常にこの社会科系の副交感神経の方に向かいます。昔から嬉しい時も、悲しい時も部族で歌を歌ったり、踊りを踊ったりなど自然にありましたよね。私たちはずっと本能でこうしてきたのです。

 

とかげなどは表情が乏しいですが犬などは表情が豊かだったり、やはり社会科系の副交感神経を持っている哺乳類は非常に他者との交流の中でいると安心する生き物です。逆にここでの交流がうまくいかないとこれはこれで生きづらくなるでしょう。鬱の人、引きこもりの人の表情があまりないのはこちら側の副交感神経(新しい腹側)にあまり自律神経がシフト出来ていないからでもあるのです。古い迷走神経の方(背側の副交感神経)が優位になっているためです。社会科系のつながりよりも閉じる方の副交感神経優位で心も身体も守っています。

ポイント

・一番良いのはこの3つがバランスよく働いていること。全部必要な自律神経です。

3:誰でもいいわけじゃない

私のニーズを私が知る

 

さて、哺乳類の私たちだからこそ、一人より誰かと一緒にいる方が本当は自然なんだということを、理論的にはお話ししましたが、個体差は絶対にあるのです。全員が同じ人生の経験をしていないので何が心地よいか、安心かは人それぞれです。

 

私はどんな人と一緒にいたい?どんな友たちが欲しい?ここを探していきましょう。自分はどんな人と一緒にいると一番安全でリラックスできていい感じかは上記から探せたでしょうか?今、そばにその人はいますか?それとももし、いないと感じたらどうして、その欲しい友達ができないのか、少ないのでしょうか?

 

どうして自分から誘えないの?または誘われないの?

 

実はこれも全員が理由が違うのです。例として誘えない人の場合はこんな風に自分に聞いてみたらどうでしょうか?「私が誘ったら相手はどう感じる気がする?」困る感じ?迷惑なのに作り笑顔されそう?本当は嫌でも言えないから私に合わせている?それとも・・・?自分のパターンを書き出してみましょう。

 

誘われないとしたら、どうして私は誘ってもらえないんだろう・・。つまらない私だから?気を遣わせてしまうから?すぐに目立って自分ばかり喋ってしまうから?配慮ができない私だから?それとも・・・?思いつく感じを書き出してみましょう。

 

全部自分が自分をどうみているかが大きい理由

 

実は上記で書いていただいた思いは「自分が自分をどう見ているか」なのですが、これが事実となって私たちの行動を制限したり、この思いにマッチした行動を無意識レベルで取っています。しかも・・・これは普段は気づかない潜在意識に束になっているほんの一部。何度もお話ししますが気づいている顕在意識は全体の4〜5%だから・・・95〜6%の潜在意識に引っ張られてしまうのは当たり前。

いくら頭の中では「大丈夫、できる!」「私は嫌われていない」と思っても、自分が自分を深い部分でダメな自分と感じていれば誘えないし、誘われないのも当然という方がマッチしてしまうのです。こうして「私らしさ」を無意識に刷り込んでいっているのが通常の私たちです。これはポジもネガもどちらも同じように刷り込んでいます。

もし、相手が実は負担で疲れていても自分自身が喜んでいてくれると解釈し、それを刷り込むと、自分自身は「誘ってよかったし、次回もまた誘っちゃおう」という世界で生きていけるので、どう解釈したかが自分に楽な方が断然生きやすいのですもし、相手が実は楽しくても、自分自身が「本当は疲れているのよね」と解釈すれば、そっちが事実なので生きづらい自分を責めたり、罪悪感を持ちやすい人生になってしまうのです。

 

4:まとめ

 

いかがでしたか?自分の思い込みで相手を誘えなかったり、誘われないのは◯◯だからだ・・という自分の解釈の世界で生きるのが普通の私たちなのですが、まずは事実確認をしてみませんか?

事実はどうでしょうか?◯月◯日◯時に「△△」と言われた。以上。です。これを私たちは「〜〜に違いない」「〜〜と聞こえた」「〜〜と思った」と解釈して自分の中で一喜一憂しています。これが悪いとか、直すことが大切なのではなく、自分の中の解釈をまずは気付きましょう。そしてそれがいくら頭では自分の解釈とは言え、感じたくない感情があれば(そこにはもれなく感情がくっついています)どんな感情があるのかを探します。

 

この感情が例えば「淋しさ」であれば、「あぁ、淋しさを感じたくなかったから、自分から素っ気なくしていたんだね」とか「淋しさを感じるぐらいなら自分から離れた方がマシだと思っていたんだね」とか「断られる恥ずかしさや惨めさを感じたくなかったんだ」とか「他にも友達がいるから・・と見せなきゃ」って本当の自分の姿を変えて見せていたんだね・・など、自分が自分を理解してあげませんか?

 

心の中で静かな対話を持ちつつ、実は世界中で自分の人生の全てを知り尽くしているのは誰でしょうか?それは他ならぬ「自分」しかいませんよね。もうぜ〜〜ん部、隠し用のないほどに知り尽くして一度も離れたことがないいつも一緒にいてくれる存在は他ならぬ私です。

 

自分と仲良くしていくことは自分を愛することでもあり、自分を愛せた分だけ本当の意味で他者への愛も広がり繋がりが持てるでしょう。そんな自由でラクな感覚で社会科系の副交感神経を優位にできる時間が増えれば、きっとみんなハッピーですよね。

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