みなさまこんにちは♩
心理カウンセラー、セラピストの浦松ますみです。
今日は「鬱」についての仕組みそのものへの理解や、「鬱」であることでの自分責めなど、不必要な負担を無意識に自分に課していないか・・・など一緒に見つめていけたらと思います。
心理セラピスト・カウンセラーの講座講師として、その中でお伝えしているものも含めて、総合的に「鬱」の構造を知るという「安心」を得られたら嬉しいです。
※まずは「知る」ことから安心・安全に繋がる部分もあると思います。
最終更新日2020.10月6日(過去記事を加筆修正しました)
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鬱とは?
鬱と聞くと、実はとっても身近でよく聞いたり、近しい人の中で誰かが鬱っぽかったり、また実際に会社や学校に行けなくなったりしている人を知っていませんか?
思い浮かべる顔があるでしょうか?
またSNSなどで自死のニュースを目にして、何か自分まで落ち込んだり悲しくなったり・・・
深さや大きさこそ違うでしょうが、「憂鬱」「心配な感覚」「気持ちが滞る感じ」「塞がれる感覚」「籠ってしまう感覚」などは体験したことはありますよね。
直ぐに過ぎ去る人もいますし、ずっと引きずってますます膨らんでしまう場合や、行動にまで影響が出てきて、動けなくなってしまったり・・WHOでは鬱は現在4番目に多い病気で、2025年までには2番目になるという予測をしています。
凄くないですか・・?
特別なものではなく、とても身近過ぎる「鬱」についてシェアしていきますね。
古代ギリシャから「鬱」は認識されている
鬱は色々な定義がありますが、古代ギリシャでも、体内に黒の胆汁が多いと鬱になると考えられていたそうです。
生まれつき、この黒い胆汁が多い人もいるとは考えられていましたが、ストレスや食事、季節の変化や心理的な動揺も関係していると考えられていて・・・
つまり生理的、心理的、社会の環境といった「全体的な観点(ホリスティック)」から鬱を捉えていました。
© Heart Resilience Association より引用(師匠の溝口あゆかさんより)
本当にその通りで、今でこそこういったホリスティックな(全体的な)観点は一般的ですが、例えば「ココロだけ」1つを切り取ってみても無理ですよね。
「目の前のその人」に今何が起こっているのか・・鬱の症状はあくまでも症状。【原因の結果の現れ】なのでこの症状が【どうして表れているのかを探していくこと】がとても重要です。
まずは「うつチェック」イギリス国民健康保険のサイトから
*4つの段階にして図る➤(全くない、たまにある、結構ある、いつもそうだ)
1)何に対しても喜びや興味をあまり感じない
2)気持ちがふさぎ、鬱っぽく、また希望がない感じがする
3)なかなか寝付けない、またはよく目を覚ましてしまう、または寝すぎる
4)疲れて、エネルギーが少ない感じがする
5)食欲がないか、または食べ過ぎる
6)人生の失敗者であり、自分自身や家族を失望させている気がする
7)新聞を読んだり、テレビを見たりしても、集中するのが難しい
8)動作が鈍く、話もゆっくりしている。または落ち着かない不安な感じがあり
他の人からもそれが分かる
9)自分など死んでしまったほうがよいと思う。または自傷行為がしたくなる
©Heart Resilience Association より引用(溝口あゆかさん)
実は生命のエネルギーの「在り方」が活力にみなぎっている方向と逆の方に行っている状態が鬱とも言えます。
または何かを一生懸命「抑えていることで」生命のエネルギーが、人生のクリエイトの方に使えなくなってきている状態です。
抑えているものは【感情や思い】ですが「怒り」「悲しみ」「無力感」「弱さ」「醜さ」「後悔」「罪悪感」「怖さ」などなど・・・混ざったりもう、ここは人それぞれです。
まずは鬱の症状をどうしても抑える方向や、無くそうとする方法を探したくなりますが「自分の鬱の作られ方」を知るほうがずっと早く原因が見つかり、そこを癒すことで変化が表れてきます。鬱も十分回復します。原因がなくなると逆の言葉で言い換えれば「鬱」が出る必要がない自分になります。
休んでいるだけではどうしてラクにならないか?
時間が経っていればいるほど蓄積が増えているので、良く言われる「休めばいい」「ゆっくりしてね」は勿論大切なのですが
体力だけの消耗が純粋な理由だったら良いのですが
「休んだだけ」では原因が残っているので休職して休んだつもりでも職場復帰したらまた「刺激」があると、再発は当たり前なのです。
またクライアントさんなどにも多いのですが、職場復帰の際にみんなに「もう大丈夫です、良くなりました!」と自分が言った後で、
無意識レベルでしたが潜在意識の声=セラピーで出てきたのは「みんなのあの人はもう治ったから大丈夫」という自分像に、自分がならなくてはいけない・・と。
家族や身近な人に迷惑をかけた・・と無意識に、自ら自分を追い込んでいたことが一番苦しかったんだ‥と気づかれて緩んだケースもあります。
ここのプレッシャーもかなりのボリュームで抱えていたりします。
脳の機能から見る「鬱」
脳の3つの働き
私たちは普段「脳」の部分がどんな風に活動し、どういったシステムだと健康的、ナチュラルな感じかご存知ですか?普段は大きく分けて3つの働きを持っています。
1)恐怖や危険を察知して、安全を守るために働いている仕組み
2)物事を達成したり、実現するための働き。良い事を求めて活動的になる仕組み
3)繋がり感や社会的な安全にフォーカス。平静、健康のシステム。満足感や落ち着き。幸せ感。
この3つの仕組みがバランスよく、適材適所で上手くちゃんと機能している時にはとてもいい感じです。
逆に「鬱」になるとこの3つの仕組みのバランスが崩れ、危険を察知して緊張感が高まり、活動と安全の働きが減少しています。
人の話や他の選択肢など広い視野が脳機能から見ても得にくい状態。
怖さ、脅威を察知して反応する脳の扁桃体部分が敏感になっている=ハイジャックされていることも、エビデンスから明らかになっています。
扁桃体は特に恐怖感、不安感、悲しみ、喜びなど、感情や直観力や痛み、記憶、価値判断や交感神経に関与しているところ。
鬱の場合は常に今、実際は「安全なところ」にいるにも関わらず、防衛の仕組みが働き、危険、怖い、不安を常に感じてしまい
【3つのシステムが「誤作動」している状態です。】
身体が重たい感じなども活動のシステムが減少しています。
赤ちゃんの例
赤ちゃんならば、一番ナチュラルな感じはお母さんがいつも呼べば側にいてくれて、お腹が空いて泣くと母乳が与えられたり、オムツが濡れて気持ちが悪くて知らせると、直ぐにオムツは取り替えられている。
身体を触って貰えて安心や肌の温もりや、心地よいお母さんやお父さんや誰かの声が聞こえ、自分は充分に守られて安全な感覚や、お母さんの匂いなども安心感を強めるでしょう。
こんな時は安全なリラックスしたシステムに行けている状態ですよね。
では、もしもいくら泣いても呼び続けても、誰も来てくれない…抱っこもなし。充分な栄養は与えられるけれど、コミュニケーションがなく、自分が安全か分からないし、スキンシップを求めるために、助けを求めて泣き続けていなければならないとしたら…
活動のシステムがずっと活発化している状態ですよね。セコムの警報が鳴り続けている状態。
これはこれで生きていくのに必要な活動ですが、(自分の欲求、危険を知らせるなどの面では)ずっとここに留まっているときは、警報が鳴り止まなくなっているいる状態。=危険だ、危険だ!怖い、怖い!
また、いくら泣いても誰も来ない…不安や怖さなどを感じ続けることが困難な場合は、自分を守る仕組みとして、
シャットダウンの形をとり
何も感じなくして閉じる方法に留まる場合もあります。
私たちはどの仕組みにも、適材適所に行き来できて循環が上手く行っているとき、また、感情で言えば、喜怒哀楽をしっかり感じることが出来ているときは、バランスが取れていてナチュラルな状態です。
鬱はバランスが崩れ誤作動の状況になっていたり、抱えきれない感じることが辛い感情を抑え続けている時に、生命のエネルギーが低下している状況を言います。
大人での場合の例
もし、新しい学校に転校したとします。またはクラス替えなど・・または引っ越し、転職・・・なんでも同じです。新しい学校のルール、どんな人々がいるのか、先生は?授業の内容は初めてで分かりませんし不安もあります。
こんな時、まずは自分の脳の仕組みはどのシステムが活発化しますか?
1)自分を守る仕組み?
2)自分を活発に活動させる仕組み?
1)の守る仕組みがメインの人でしたら、クラスの人がなんか緊張感があって、厳しい感じや変な事を感じたり、自分の事を嫌そうな顔をするように見えるとか・・・
または誰かが自分のことを「もっと可愛い転校生が来ると思っていたけど・・・」という言葉を聞いた瞬間に、防衛の仕組みへ行き、自分も緊張してきませんか?
もし、活動の仕組みが上位の状態の人ですと「わぁ、新しいことを習うんだ!新しい人との出会いや学力向上にワクワクする」など反応がこんなに違います。
「みんな、宜しくね!」みたいなエネルギーがメインで、自分の行動が生まれてきます。嫌な言葉にも反応は引きずられにくく、自分の興味を優先できます。
そこにあるのは健康的な緊張感でしょう。
自分が無意識ですがどの仕組みが今、優位なのかによって(どのシステムを選んでいるかによって)こんなに違うのです。または落ち込んでも回復が違います。
そしてもし、初めは緊張していても、職場の人が親切で色々と教えてくれたり、何度か聞いても嫌な顔せずに答えてくれると「あぁ、ここで良かったな」と、安心、安全の仕組みがメインに自然にシフトしていきます。
鬱の状態は完全に3つのバランスが崩れたとき。
3つとも生きていくためには必要な仕組みなのですが、「自分への共感(コンパッション)」
➤脳の仕組みがが安全のシステムへ自然と戻れることがポイントです。
欧米などの研究者も自律神経や脳科学の視点から、伝えていることと辻褄が合います。
自分の気持ちが今どうなのかを自分が知ってあげること、→励ましや、理由を聞かずに「どうしたら戻れるか」ではなく、そこにある滞ったエネルギー(感情など)を、自然なシステム、本来の姿に戻すことは、「理にかなって」います。
「鬱の状態」が必要なくなるのです。
防衛のモードから自分を救える方法は、例えば瞑想だったり、潜在意識の自分の仕組みを解いていったり、更にセラピーを組み合わせ、感情を触ったり・・・人によっては身体を使ったTREなども効果があると感じます。色々な方法があります。
自分へのコンパッション(共感)はとても大きなカギです。
安心、安全システムに戻った私は、それにマッチした行動を取るので「誤作動の緊張のまま」が必要なくなります。健全な緊張は自然な形で回復モードへ。防衛も、誤作動し続けた状態は解除されます。
何故システムが誤作動したかの理由が必ず一人づつあるので、自分オリジナルの仕組みを見つけて共感して自分が理解して、受容するために、偏桃体が反応していた部分(感情など)を、セラピーなどで変化させていくことは、理にかなっています。
まとめ
鬱の仕組みやこういった方法で変化できるというのが見えてきたのは、脳科学やポリヴェーガル理論という、欧米では20年ほど前から出ている理論とも辻褄が合います。(日本では英文の文献は多いのですが去年ぐらいから、素晴らしい翻訳の日本語のものが出ました♩)
※心理学、非二元、セラピーなどは全て「溝口あゆかさん」から学んでいます。提唱されている「インテグレイテッド心理学」は提供の全てのベースになっています。
いつもお読みいただきありがとうございます。心のことにご興味のある方との繋がりが嬉しいです♡
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