【お客様の声:テーマ】
【年齢:職業】40代前半:医師
普段は医師として働いていますが、実は私には誰にも言ったことのない悩みがあるのです。それは私自身がセクシャルアビューズを受けていて、その時のトラウマがどうしてもフラッシュバックしてしまうのです。数十年前のことでも時々何かをきっかけに私を苦しめます。私は継続的にではないし、1回だけなのですが、自分の中で何かがおかしくなってしまったのです。
自分自身を汚い存在とか、世間をごまかしている罪人のようで、偉そうに「先生」と呼ばれることも、誤魔化している感じがいつもあります。知り合いからセラピーのことを聞き、一度も自分自身が試したことがなかったので、是非取り組んでみたくこちらにコンタクトを取りました。
結婚の機会も何度もありましたがいつか私の正体がバレるとか、バレたら相手は引くに決まっているとどうしても感じてしまいます。普通に生きていてはいけない感じが漠然とあり、独身のまま今に至ります。今のままでは一生いたくない思いもあります。
【セッションを終えて】
セクシャルアビューズ自体のシーンは数回のセッションでだいぶ和らぎました。そのシーン自体にあった私の置き去りになっていた傷ついた私のケアも大きな意味を持ちましたが、実はそこから自分が自分に刷り込んできた「ビリーフ」「セルフイメージ」が人生にこうやって現れてくる仕組みを初めて知りました。
私が医師を目指したのも私を守ってくれるはずの人や場所が私を一番傷つけたので、絶対に許せなかった私の怒りと悲しみと絶望感がこの職業を選んだと理解できました。母に訴えても信じてくれなかった・・・・大好きだった、信頼していた身近な人からの性被害は私が安心できる全てをこの世から奪いました。誰にもいえなかったし、ネットや本から知識は得ても心からのラクがなかったのは感情がそこに置き去りのままだったからとは驚きです。
自分が自分を守るためにの基準で選んでいたことも多く見つけることができました。
あのシーンは始まりだったに過ぎませんでした。あそこから私は自分自身に対して酷い中傷をし続けていたなんて、初めて大声でセラピーの中で泣けました。氷が溶けていきました。自分を傲慢で嘘つきで汚くて恥ずかしい存在と思っていたのは「私」だったし、私は私の仕打ちに一番傷ついていました。
同時に信じられるものを全部失った悲しみも大きすぎて、最初は扱いが全くできませんでした。
自分を中傷することをやめられなかった過去の私も今は理解できます。そしてどの私も助けて欲しくてその声を出していたことも・・・。恋愛がこの状態では健全にできるはずもないし、怖いのは当たり前。凍りついていた私が初めてやっと動き出した感覚です。本当に根深く、簡単な癒しではなかったですが、構造が見えてきてこれからどう進むかは分かった分、やっと自分らしく生きていっていいのかもと許可が降りつつあります。
患者さんに対してももっと経験を生かせるような、本当の私が顔を出してきて、職業自体もこれを選んで間違っていなかったと、じんわりじんわり感じています。「その感情を減らそうと思わなくていい」「今はその相手を受け入れられない私でいい」と仰ってくださったことも、毎回ほっとしました。感情を減らそうとしていましたし、老いていく加害者の相手と普通にするべきだと、自分の中の「こうするべき」が自分を酷く縛っていました。
自分を理解する、自分を愛する事は派手ではないけれど、なんて安堵があることでしょうか。たくさんの問題が見えてきて、これも継続ではの良さだと思います。引き続き、丁寧に進めていけたらと感じています。
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