みなさんこんにちは♩
心理セラピストの浦松ますみです。今日もまた「大切な人が鬱になったかも」と感じた時に何か役に立つような情報をお届けしたいと思います。
前回の①のブログでは「鬱の人への対処法としての話し方」「何が一番辛さを作っているかを引き出す簡単なセラピー」などをお伝えしましたが
「理解」「知識」は『どうしたらいいか分からない不安』から『何らかの安心』へ運んでくれます。【先の見えない不安から、先が見えてきた不安】へ変えていくことは十分可能です。この状態で一緒に大切な人をケアしていきませんか?
「鬱」に対しての理解と、相手の状態を知ることはお互いの繋がりと安心になりますし、どうしてこう言った状態(症状)が出ているかが分かることで、怖さも減るでしょう。
今回②では鬱と脳と自律神経のメカニズムを、簡単に解説していきますね。
私たちが「閉じる時」
鬱の診断基準はご存知でしょうか?精神科での判断書のDSM-Ⅳによると
以下の症状のうち、少なくとも1つある。
- 1.抑うつ気分
- 2.興味または喜びの喪失
さらに、以下の症状を併せて、合計で5つ以上が認められる。
- 3.食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
- 4.不眠あるいは睡眠過多
- 5.精神運動性の焦燥または制止(沈滞)
- 6.易疲労感または気力の減退
- 7.無価値感または過剰(不適切)な罪責感
- 8.思考力や集中力の減退または決断困難
- 9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図
上記症状がほとんど1日中、ほとんど毎日あり、2週間にわたっている症状のために著しい苦痛または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能障害を引き起こしている。これらの症状は一般身体疾患や物質依存(薬物またはアルコールなど)では説明できない。
私たちは「鬱」まではいかないけれど、人生のうちで、少なくとも1〜2回ぐらいは経験したことはないでしょうか?(控えめに言っています・・・笑)
WHOでは鬱は現在4番目に多い病気であり2025年までには2番目になるという予想をしています。おそらく、今回の世界的ウイルスの件で経済破壊などの精神的な不安から、もっと増えているのではないでしょうか?
こんなに医療が発達してきているにも関わらず、心のこと、精神的な分野はまだ解明されていない点が多いですし、メカニズムの解明も全部がはっきりと分かっていない分野です。
とは言え、少しづつ、脳や自律神経、そしてトラウマとの関わりなども見えてきている部分はあるようです。
鬱は見えないし、数字などで測れない
鬱の病診断基準のDSM-Ⅳを見ても、これらは全てが「自分がどう感じているか」が基準になっていて、自己判断や感覚で測っていく部分が多いのはお分かりでしょうか?
自己申告と言いますか、他の言い方をすればAさんとBさんとでは「自己判断の基準」がそれぞれになるため、我慢強い人や頑張り屋さんは重くなりがち。
こう言った状態になったとしても、何もしなくても回復する人と、重度になって行ってしまう人は何が違うのでしょうか?
日常的に「鬱っぽい」ことは普通にあるのですが、生活に支障が出てきてしまい、エネルギーが滞り、閉じてしまう方向に向かっているのかが
「気付けて」プラス「回復のサポート」が出来ることが大切です。
鬱っぽさから自然に「回復できる人」と「出来ない人」
鬱っぽい状態と「鬱」との違い
日常の中で、私たちは何か将来の心配をしたり、後悔したり、誰かと比べて自分が出来ていないなど自己否定を持っていたりは良くありますが、こう言った状態は「鬱っぽい」とします。
ではここから自然に回復して滞って閉じ気味だったエネルギーが、元々の自然な流れを持ち、いつもの自分らしさが戻れる時と、「鬱」として閉じる方向にどんどん進んでしまう時は何が違うのでしょうか?
鬱になりやすい人と、なりにくい人は単に「性格の違い」とか「根暗」とかでは片付けられない、もう少し複雑な自律神経や脳の働きとも関係があるようです。
そして、人生の経験やトラウマの体験なども加味されて、回復できやすい人、閉じやすい人という傾向はあります。
心のこもったアドバイスをしても、優しさで接しても「相手に届かない」時があるのは、自律神経・脳・トラウマなどの【その人の中のメカニズム】とも関連があるようです。
自分自身が鬱っぽくなっていたとしても安心・安全の方向に向かっているのか、いないのかはチェックできると良いと思います。完全に「鬱」になって閉じる前に気づけることもポイントです。
脳と自律神経の関係
そもそも、私たちの「脳」は進化の過程から3つに分類されています。
1:古代脳
2:大脳辺縁系 感情脳(感情学習)
3:大脳皮質(新しい脳)
一つづつ、超簡単に説明していくと
①:(The Primitive brain) 基本的にサバイバル(生きるため)の機能で心拍・呼吸・体温などを司る部分
②:(The Limbic System) 一番「安心・安全」「逃げるか・戦うか」の機能を司る部分。記憶を保つ部分。
③:(The New Lortex) 話す・書く・イメージする・未来への抽象的な思考・計画を立てるなど、思考とイメージで「今、ここにないもの」を描く能力を司る部分
※参考資料 溝口あゆかさんOADセラピスト養成講座より(今は募集が終わりましたが今後、新しい形で始まるかもしれません♩)
例)いい匂いがキッチンからしてきた。あ、この匂いはパウンドケーキを焼いている匂いだ(当然危険ではないし、どんな味かを知っていて、今から食べるイメージをして、唾液へ繋がる、身体が緩む)
→大脳辺縁系②が刺激されて、感情学習したものと身体が反応し、③の部分も絡まり唾液が出ます。脳に学習した回路がある。
鬱は「閉じて」自律神経はシャットダウン状態
鬱の時には脳のシステムで言えば
②の大脳辺縁系は安心・安全からは程遠く、
③の大脳皮質の新しい脳の部分は全く未来に希望が持てないし、自信もないし、諦めているし、打つひしがれていて、過去の辛かった記憶とリンクして身体も自律神経も「閉じている」状態です。
①は生き生きと活発にというよりはイメージで言うと爬虫類が静かに冬眠しているような、呼吸・脈拍などもなるべくエネルギーを使わなくて済むように、「自律神経」自体が働き静かになっている=シャットダウン状態です。
こう言った方が生き生きと活発に人生の活動が送れるようになるためには
1:まずは「感じられなくなってしまった」安心・安全を取り戻し
2:身体自身がそれを実感するために
3:そもそも、持っていた(感情学習した)過去の経験で持っていた辛い記憶や、それにより出来ていたセルフイメージや、ビリーフを解除してあげることが大切です。→※【ここで感情をシフトさせるセラピーが有効】
ここが緩んでくれば必然的に①の呼吸も深くなり、本来のエネルギーが循環してくるでしょう。
感情学習とは6〜7歳ぐらいまでにまだ③の大脳皮質(新しい脳)が十分に発達していない時期に「◯◯すると、怒られる」「△△は愛されない」など身体を巻き込んで大脳辺縁系に回路を作ること。
ここは【セラピー(感情のリリース)】が必要。脳の回路はその後の自分に大きな影響を与えるのは当たり前ですよね。
セコムが鳴り響いていて、警戒モード・またはシャットダウン状態の方に「言葉(アドバイス)」、「休むこと」だけで、すぐに回復しないのは、このシステム(脳に回路)が「在る」からです。ここが安心・安全でないと、休んでも繰り返してしまうのはある意味当たり前なのです。
ケアする側が、まずは相手の状態を知ってあげることは、大きなケアの一つです。その上で改めて「相手を観察」して、何ができるか、どうしたらいいかを探していきましょう。
「鬱」になった後では「鬱状態」よりも回復に時間がかかるのは当たり前ですし(大脳辺縁系に作られた回路を解く作業が必要)、これは「個人差」が非常に大きいです。なぜならばシステムが全員違うからです。
そもそも、安心・安全がベースで生きている人と、警戒・緊張モードで人生を歩まざるを得なかった人では脳の回路や、自律神経の仕組み自体が全く違うからです。
たくさんの方の心の仕組みを実際に観察し、体験上、本当に誰かと比べることは意味がないと言いますか、比べられないのが実情です。それよりも「自分がどうなっているのか」「大切な人がどう言った状態なのか」を知ることは回復の大きな支えになります。
トンネルに入ったままの暗闇で悩むのではなく、トンネルの中にいるけれど、出口の方向がわかって歩いている状態(安心がある)へ持っていきましょう
また、鬱については色々な言葉でお伝えできたらと思っています。
安心・安全を取り戻す一つの方法として、感情解放のセラピーは非常に有効だと感じています。私が紹介しているEFTやMR(マトリックス・リイン・プリンティング)、フォーカシングもおすすめですが、これだけが絶対ということではなく、ツールは何でもいいのでご自身にあったものに出会えるといいですね。
※心理学、非二元、セラピーなどは全て「溝口あゆかさん」から学んでいます。提唱されている「インテグレイテッド心理学」は提供の全てのベースになっています。
※心に安心感を取り戻す簡単誘導が後半に入っているYouTube(音声注意)
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